憧れの詰まった優雅なメゾン! エルメスの手しごと展 “メゾンへようこそ”

『エルメスの手しごと展』をご存知でしょうか。表参道ヒルズと銀座メゾンエルメスの2か所での同時開催の展覧会です。

表参道ヒルズ本館 地下3階にあるスペースオーで3月19日まで行われていた、『エルメスの手しごと展“アトリエがやってきた”』では、地下に続く階段に、今回のポスターデザインと同様のテキスタイルが散りばめられ、階段を降りていくだけで気分が盛り上がってしまいます。会場には、エルメスの“ものづくり”を支える職人たちが、本国のアトリエから東京まで実演をしに来日。実際に会場に11種の職人が集結していたのです!! 2回ほど足を運んだのですが、いずれも満員御礼で、私も必死にレポ写真を撮影したので、後半でまとめてご紹介しますね。

まずは銀座のエルメス10階にある「銀座メゾンエルメス」で3月26日まで開催中の『エルメスの手しごと展“メゾンへようこそ”』の魅力をご紹介します。

10階へはレディースとメンズのそれぞれのブティックの間にあるエレベーターに乗って向かいます。あ、ちょっと待って!! エレベーターに乗ったら、振り返ってみてくださいね! 背面をめくるめくスカーフが彩ってくれていますよ。

10階で降りると、エレベーターを背に会場は左右に分かれています。左側の手前はライブラリースペース、その奥にはムービーを上映する暗室。右側にはトークイベント用の会議室。日常的に解放している空間ではないため、入れたらラッキー! お洒落な椅子が集められ、窓から見える屋上のお庭に柑橘の樹あり、水場もあり。え、ここって銀座?? と、パリにワープしちゃったのかと思うような、訪れただけで心踊るすてきな空間が広がっているのです。

時刻は16時。ちょうど夕陽でキラキラと輝くライブラリーで、展覧会限定カップでジュースをいただき、ホッとひといき。部屋の両サイドには、今回の特別イベントとして展示されているアーティストさんのデモンストレーションボードがあります。エルメスのメンズスカーフ(カレ)をペインティングしているテキスタイルデザイナーのDaiske Nomuraさんを運良くキャッチ。

普段はこれの4分の1くらいのサイズでイラスト完成させているそうで、今回はお客様のために初挑戦がたくさんとのこと! こんな大きなサイズにデモンストレーションを展開するなんて、さすがプロです。

表参道では職人たちの実演が中心でしたが、銀座は予約制の映画とトークセッションが中心。みなさまにぜひ見ていただきたかったのですが、さきほど調べたところ、映画は最終日まですべて満席でした、、、涙。

ということで! 私が観た『ハート&クラフト』を言葉でご紹介。

エルメスの職人と聞いたらどんな方がやっていると思うでしょうか? 私は想像で、勝手に、世界中の腕利きの職人を集めて作っているんじゃないかと想像したのですが、この映像で拝見した限りでは全く逆でした。

エルメスで作ることに憧れ、キャリアゼロからスタートし、このエルメスのアトリエで立派な職人となっている人が大勢いることを知りました。強い愛情と、この一流のメゾンで“ものづくり”をしていることへの大きな誇り。大勢の職人の共同作業によってひとつひとつのアートピースが完成していたのです。

特に興味深かったのは、スカーフを作る際のシルクスクリーンの制作工程。原画をもとに、スペシャリストたちが手作業で版を分けて最適な色分解をしているところ。いまのご時世、デジタルのデータで最初から分解してあるものを作ってプリントしてしまっているのかと思いきや! でもだからこそ、1枚1枚が絵画作品のような奥行きのある仕上がりなのだということに気づかされました。

映画を拝見した最後にDaiske Nomuraさんと。

表参道の会場では、実際に障害馬術の鞍を製作している実演が観られて、個人的に大興奮。エルメスのはじまりは馬具だった、というのが私にとってすごく印象深いのです。このことを知ったのがいつごろだったのか覚えてないのですが、エルメスの店内に乗馬用の鞍やブーツ、鞭が置いてあるのを見たとき、すごーく悔しい気持ちになりました。もし、自分が熱心に乗馬をしていた時代に知っていたら、、、くぅ。

私の乗馬人生に関する記事はこちら→

HORSE RIDING MAGAZINE 新・乗馬誌”EQUUS” 連載スタート!!

上記すべて、表参道会場にて撮影したもの。実演している職人たち。間近に道具を見ることはもちろん、常に通訳の方が一緒なので自由に質問ができる貴重な機会!!

乗馬用品って自分で所持しようと思うと輸入品ばかりで、どこで購入してもとてもとてもとーっても高級なんです。そう考えるとエルメスの馬具は、バッグなどのイメージからすると決して高いわけじゃあない!! むしろ、こんな風にオーダーメイドで作ってこの価格なら、お得なんじゃ、、と思うくらいなのです。

今回の取材を通して、このステキな鞍に跨るという夢ができたので、足繁くメゾンエルメスにも通いつつ、乗馬へのモチベーションを保とうと思います。

ここ最近、最新のメディアアートも取り上げながら、こういった職人の技術も取材しています。が、私はどちらが好き、嫌いというよりも、その両者が存在する時代にいることが、とても貴重で楽しいなぁと思っています。

成熟した技法による職人技から生まれる芸術作品、これから発展していくであろう実験性のあるメディアアート。

何年もの時間をかけて作られた職人の作品には圧倒的な美しさがあり、デザインとして捉えても、隙のない美しさ。やはり何度見ても関心してしまう。

その一方で、さまざまな可能性を感じるテクノロジーや技術を駆使した作品や商品は、すでに存在するものを超えていく存在でなくてはならず、”すごい!”と感じるハードルが最初から高く設定されてしまっているように思います。が、その中でも、あっと驚く新しさと美しさの接合点を持ったものが登場するのが面白い。

帰り道に向かいのソニービルで『It’s a Sony展』を覗いて、しみじみと考えさせられた1日でした。

各実演ブースがお客様でいっぱい!の表参道会場にて。

なお、『エルメスの手しごと展“アトリエがやってきた”』は、10月には名古屋、博多での展示を予定しているとのこと!! これはもう、絶対に見逃せない。

銀座での『エルメスの手しごと展 “メゾンへようこそ”』展は26日まで。ですが、いろいろなテーマの展示や映画上映が通年行われているので、そちらも要チェック!!

『エルメスの手しごと展 “メゾンへようこそ”』

会場:銀座メゾンエルメス10階

会期:〜2017年3月26日(日)

参加費:無料

URL:http://www.maisonhermes.jp/feature/421337/

『エルメスの手しごと展“アトリエがやってきた”』

会場:東京会場は会期終了。名古屋、博多の情報はHPにてご確認を。

URL:http://www.maisonhermes.jp/feature/421339/