オシャかわ図鑑2018 vol.2「Studio JIGI (ストゥディオ ジギ)」: Picbook 2018-02 Studio JIGI


オシャかわ図鑑とは
いま、ここのこのアイテムが面白い!! 買い時! 知っとけー! 的なピックアップシリーズ。
ファッションのみならず、ビューティ、ライフスタイルなど幅広く探していきますので、ちらりと覗いてお楽しみくださいませ。

About Picbook
In this pick up series, find out what items are hot on the market, when to buy it, and what products to look out for! From fashion to beauty to lifestyle items, make sure to check out our latest post.


ウィンドウに並ぶ美しい幾何形態。
そのコロンとした形が、皮革でできたバッグだと気がついて、一目惚れした気持ちがますます高まった。
近づくと縫い目が見当たらない。一体全体、これ、どうやってできてるの!?
くるりと丸い球体のレザーバッグなんてこの世にあったのだろうか。
見慣れた素材も、形が新しいことによって異なる表情が現れている。
まるで魔法や手品を観ているように、ワクワクしてきた。

Beautiful geometric shaped decorative accents for your window sill.
But when I realized the tiny round shaped item was a leather bag, I fell more and more in love with it. So intricately created, even up close, I couldn’t see any seams. How on earth was this made!? A material so common and basic, now intricate and unique simply by using it a little differently. Exciting, like seeing a magic trick unfold in front of you.

ここ数年で人気となっているミニバッグ。
特に、ミニマル(シンプル)な形態のバッグはお洒落な人を中心に大流行中。様々なブランドが展開していてどれを買おうか目移りしてしまうくらいなのだが、その中でも群を抜いてモード。意外性とクオリティが高いのが「Studio JIGI」のバッグと言えるのではないだろうか。

昨年の12月に密やかに行われた展示会では、原型と言える球体、八面体、二十面体のモデル、一回り小さいたまご型のバッグに加えて、世界で活躍する日本人のシルバージュエリーデザイナー4人とのコラボレーションモデルも登場。
ミニマルな形態にシルバージュエリーのゴージャスな金具のあしらいが、ハイエンドなラグジュアリーブランドにも劣らない、特別な佇まいを生み出している。

展示会でも制作者とお話したのだが、今年に入って気になって仕方がなかったので、もう一歩踏み込んだインタビューを、とアトリエ取材を敢行してきた。

Mini bags have become popular in the last couple of years. Specifically bags with minimal (simple) patterns have become very popular as the latest fashion accessory. As many brands start to produce their own versions, it is difficult to deduce which ones are worth it. But the “Studio JIGI” bag stands out as a front runner, offering both an element of surprise and high quality.

With a minimalist design and gorgeous silver jewelry finishes, this bag compares to other luxury brands out there.

I managed to snag an interview and a visit to their studio.

謎多きデザインチーム。
シームレスな幾何形態バッグとJIGI(ジギ)の由来とは?

Junko(以下J)「初めて見たときから、これがどうやって出来ているのか気になって仕方なくて。。。と言っても作り方は極秘事項かもしれないので(汗)、レザー初心者にもわかるように、簡単にご説明頂ければ嬉しいです。」

Studio JIGI(以下SJ)「私たちのプロダクトは全て上質なレザーを素材にしています。
一部の特殊なモデルを除いて、その品質を世界に認められる国産の栃木レザーを用いており、使い込むほどにタンニンなめし革特有のツヤが増して長く愛用できます。」

J「本当にレザーを使用して作られているんですね。あの、もう少し、この形の作り方を知りたいです。普通のバッグって縫ってあると思うのですが、これは縫い目が見当たらないですよね。どうやって形を維持してるのかが不思議で!」

SJ「男性の靴、ビスポークの靴作りの工程に似ているんです。完全無縫製で特殊なモールディング技法で成り立っています。何層もの革を東京のスタジオで手作業で成型して一つのバッグに仕上げてゆくため、一点完成するまでに2ヶ月ほど要する、手間を惜しまないプロダクトです。」

J「靴かぁ。そう言われてみればメンズシューズはカッチリといつまでも形が変わらないイメージですね。次はデザインについてもお伺いしたいです。この1つ1つの形がとてもミニマルで、美しくて、鉱物結晶模型が頭に浮かびました。あとはJIGI(ジギ)と言う名前って何語でしょうか。名前とブランドのコンセプトにも何か秘密がありそうな感じがしますね。」

SJ「私たちは日本人とアメリカ人2名のデザイナーがアメリカ・ニューヨークで創作活動を始め、設立されたブランドです。JIGIとは英語でどういう意味か、と聞かれることが多いのですが、由来は日本語の「児戯」、子供の遊びの意味です。

プロダクトはバッグとしては珍しい形をしています。球、正楕円球、正8面体、正20面体など、数学的にすでに存在する形態で、私たちが新しく生み出した形ではありません。フォルムとしては非常にシンプルで”子供の遊び”を追求するために、この幾何形態を選んでいます。」

J「作ることと遊びが延長にあるのは、とても共感します。その探究心やワクワクが続いて、熱中して新しいものが生まれる!すてきな考え方ですね。コラボレーションモデルも含め、その一つ一つが出来上がるまでのやりとりを想像すると、使う私達までワクワクしてきちゃうかも。でも、なんで幾何形態なのでしょうか。」

↑写真 Studio JIGI 全てのStandard Model

アートスペースを持ち歩く!
コンセプチュアルなコラボレーションモデル

Like walking around an art museum! A conceptual collaboration model.

SJ「Studio JIGIのプロダクトは、大きくスタンダードモデルとコラボレーションモデルの2つのラインからなります。
シンプルな形態の4型に4色のスタンダードモデル。
私たちは定期的に外部のアーティストやデザイナーと特別なコラボレーションモデルを作り続けたいと考えています。
形態がシンプルな理由は、コラボレーターたちがバッグをキャンバスとし、自由にそれぞれの表現と組み合わせてゆくためのフォーマットととしての存在でもあるからです。

例えば、一般的なアートギャラリーは”ホワイトキューブ”の呼び名のとおり無機質な白い立方体の空間のため、様々なアーティストの作品を受け入れることができますよね?
そのような空間が手元に持てるサイズに縮小されたようなイメージでしょうか。」

J「なるほど!!アートスペースがバッグに凝縮しているということですね。これはアート好きには嬉しいお話かも。たしかに、好きな作品があったとしても持ち歩けないですし、本やグッズでは物足りないというか、そうじゃないよ、、、みたいな気持ちになります。」

SJ「また、コラボレーターたちは普段の仕事としてのワークから離れ、創作活動を始めた頃の原点、つまり幼少期の落書きや粘土遊びをしていた頃のようなピュアな衝動でコラボレーションモデルを作っていってもらいたいと思っています。
それがひとつのプロダクトとなったとしたら、アーティストも、それを使用する持ち主も、どんなにわくわくすることでしょう。これがコラボレーションにおけるコンセプトであり、スタジオの名前の由来でもあります。
Studio JIGIを立ち上げた私たち2名にとっても言えることで、ずっと「児戯」=「子供の遊び」のようなわくわくを感じ、その気持ちをプロダクトとしてみなさんに提供したいという思いから名付けました。」

Studio JIGI(SJ): Broadly speaking, we have two product lines at Studio JIGI, standard models and collaboration models. The standard models comprise of 4 different simple designs in 4 different colors. Our desire is to continuously work with outside artists and designers to create special collaboration models. The reason our designs are simple is so that the collaborators can use the bag as their canvas, to freely create a product of their expression.

For example, in many art galleries there is something called a “white cube”, which is exactly what it sounds like, a white cubed matter of space artists use as a canvas of their work. We incorporate the same concept, but on a hand held scale.

Junko(J): I see!! Essentially their work space is the bag. This must be good news for art lovers. They can’t exactly carry around their favourite art pieces, and it’s not quite the same as having a book or decorative item for your house.

SJ: It also gives the collaborators a chance to take on a project that is different from their usual kind of work, and create something from a pure and carefree place, like a child playing with cray or spray painting graffiti. How exciting for both the artist and the consumer to be able to own such a one of a kind product. This is the concept behind our collaboration model, and also the origin of our studio name. We came up with the name Studio JIGI because, “Jigi” = “child’s play”, and we want our artists and consumers to feel the same excitement we did as kids, and create products from that place for our consumers.

上 Ability Normal / Legio MadeとのExclusive Model
下 Fangophilia / Dualflow とのExclusive Model

J「この話を聞いて、今後もどんな方々とコラボレーションするのがますます楽しみに気持ちになりますね」

SJ「そう思っていただければ嬉しいです。同時に、理性や論理的思考に傾きすぎている現代の価値観から少しだけ離れ、プロダクトを通して感覚的に世界に触れてみると、もっと美しいものが見えてくるのではないか、という思いも隠されています。」

J「インフルエンサーをやっている私が言うのもの難ですが、たしかに価値観が傾き過ぎてしまう傾向は感じます。SNSを見ていてもそう思うことがあるし、ニュースもそうだし。このバッグを通して、子供の頃の感覚を思い出せるから一目惚れしたのかしら。」

とてもミニマルでありながら、インパクトのあるバッグたち。個人的には真っ黒なロングドレスに、赤いバッグを持ってお出かけしたみたいな〜と妄想。
既にお気付きの方も多いかもしれないが、1月にUPした初詣の撮影と、KIIROのアートワークでも登場させている。面白いことに、着物にも合う絶妙なサイズ感なのだ。和にも洋にも合うという変幻自在な表情のデザインは、2名のデザイナーの出会いと、自由な発想が組み合わさって生まれたものだからかもしれない。

J: Hearing your story makes me very excited to see who you might collaborate with in the future.

SJ: I’m very happy to hear that. At the same time, we hope to get away from the values of modern society of reason and logical thinking, and see the world using our senses instead to see beauty in unexpected places.

J: As an influencer myself, perhaps I shouldn’t be saying this, but I do agree that our values are biased. I feel that when I’m on social media, or even just watching the news. I wonder if I fell in love with this bag, because it reminded me of what it meant to have the innocence of being a child again.

While minimal, these bags have an impact. I’d dress up in a long black dress with a red statement bag. Perhaps some of you have already noticed, but I have already used one in my KIIRO art work and in my January photoshoot from visiting the shrine for the first time this year. Interestingly enough, it is the perfect size for a Kimono bag. The versatile design matches both western and oriental fashion, perhaps precisely because it is the product of two designers coming together.


上 「Tokyo Real Mode : KIMONO STYLE by Furifu 」より Standard Model / Sphere Python使用
下 「”KIIRO” 大人モードな着物ブランドの撮影に参加しました!Artwork / Pop Up Store information」より Standard Model / Sphere Red使用

そしてそして、今回みなさまにお伝えしたいビッグニュース。
3月1日から、このバッグを実際に手にとってみるチャンスがあるということ!西武渋谷店の5階プロモーションスペースにて、このバッグが日本で初めてのポップアップショップを展開するのです!

J「西武でのポップアップストアが始まるとのことで、最後に今回の展示について教えて下さい!」

SJ「3/1~3/8までの間、渋谷の西武百貨店B館の5Fにて、初の期間限定のショップを展開します。
現在はウェブサイトからのオンラインオーダーがメインのため、実際にプロダクトを手にとってご覧いただける貴重な機会となります。

また、5Fのショップに加えてB館の1Fエントランスでのエキシビションもご覧いただけます。こちらはショップより少し長く、2/27~3/12までとなりますので、一人でも多くの方に楽しんでいただければ嬉しいですね。

1F、5Fともに、第一弾のコラボレーターとして招待した、4人のシルバージュエリーのデザイナーとのコラボレーションモデルも展開しています。Ability Normal、Dual Flow、Fangophilia、Legio Madeの4人は、その超絶技巧と表現力により世界的に注目されるデザイナーです。

彼らの作品がいかんなく発揮された特別なモデルを、ぜひお見逃しなく。」

デザイナー同士の掛け合い、いや、遊び心で生み出されたアートピースが西武百貨店の渋谷B館のエントランスと5Fに展開されているとのこと。今回、特別に製作した西武渋谷店限定のカスタムモデルもあるとの知らせに、Junkoも小躍りして楽しみにしています。ぜひみなさまも渋谷西武へ足をお運びください◎

These works of art created from the dialogue, no, created from the play between designers, can be found in a Pop Up Store in Tokyo’s Seibu Department Stores.

Keep an eye out for future products! The day new modern bags become popular around the world is right around the corner.

27日から始まった1Fエキシビジョンスペース。ゆっくりとバッグが回転し360度からみることができる

Studio JIGI エキシビジョン&ポップアップストア インフォメーション

「Studio JIGI ~Little Treasure Box~」

エキシビション
会期 ~ 3/12(月)
会場 渋谷西武店B館1F

ポップアップショップ
会期 3/1(木)~ 3/8(木)
会場 渋谷西武店B館5Fプロモーションスペース

商品例 ※価格は税込み ※一例
・スタンダードモデルバッグ:19,440 円~241,920 円
・コラボレーションモデルバッグ:151,200 円~1,879,200 円

■Studio JIGI(ストゥディオ ジギ)について

About “Studio JIGI”

アメリカ人と日本人の 2 人のデザイナーによってニューヨーク市にて設立されたデザインスタジオ。2017 年に東京に拠点を移す。上質なレザーをはじめとした贅沢な素材を使い、熟練した職人技による無縫製の特殊なモールディング技法を用いたシンプルな造形のプロダクトを展開する。特徴的な幾何図形は、シンボルとしてではなく、ミニマルなフォーマットとしてのそれ。様々なジャンルのアーティストがここに出入りし、それぞれ自由で柔軟な発想で Studio JIGI というフォーマットを変化させてゆく。それはまるで、アーティストの原点である純度の高い子供の遊びのように。

​​The design studio established in New York City by two designers of American and Japanese, moved to Tokyo in 2017. We create simple modeling products by skilled craftsmanship with luxury materials such as high quality leather. Artists of various genres enter and leave here, each are going to change the format named Studio JIGI with their free and flexible creativities. It is as though high purity child’s play that is the origin of the artists.

Studio JIGI Official HP www.studiojigi.com

Studio JIGI Online Store www.studiojigi.com/store/